LookerがGoogle Cloudのコンソールから起動できる!?「Looker (Google Cloud core)」の無料トライアルを試してみた
さがらです。
LookerはGoogle Cloudに買収された後もGoogle Cloudのコンソールから起動は出来ず独立したサービスでしたが、この度Google Cloudから起動できる「Looker (Google Cloud core)」がリリースされました!
30日間の無料トライアルも提供しているようなので、早速試してみました。その内容を本記事でまとめてみます。
2023年8月3日追記
こちらのトライアルですが、トライアル後不要になったら、対象のLookerインスタンスを忘れずに削除しましょう!!
トライアル期間終了後、自動で費用が発生する仕様となっております。
これからトライアルされる方はご注意ください。
事前準備:OAuthクライアントの作成
インスタンスを立ち上げる際、Google CloudのOAuthクライアントが必要となります。
下記のドキュメントに沿って作成し、「クライアントID」と「クライアントシークレット」を確認しましょう。
「OAuth同意画面」のスコープは、特に指定しませんでした。
トライアルインスタンスの作成
下記のドキュメントを参考にしつつ、トライアルインスタンスを作成していきます。
まず、Google Cloudのコンソール画面で、左のサービス一覧から「Looker」をクリックします。
下図のような画面が表示されますので、「30日間トライアル」をクリックします。
APIを有効化するように促されるので、「有効にする」を押します。
インスタンスの作成画面が出ますので、インスタンス名や、事前準備で作成したOAuthクライアントの情報を入力します。リージョンは、2023年5月9日時点では日本がまだ対応していないようなので注意です!
インスタンスの作成に関する各情報を入力したら、「作成」を押します。
すると、インスタンスの作成が始まります!最大1時間かかるようです。
約45分後、インスタンスが出来ました!
インスタンスが出来たら「LookerのURL」に記載されているURLをコピーして、事前準備で作成したOAuthクライアントの「承認済のリダイレクトURI」に貼り付けて、/oauth2callback
を追加して、保存します。※この/oauth2callback
がわからず、私はだいぶ時間を取られました…
OAuthクライアントのリダイレクト設定が有効化されたら、準備完了です!
インスタンスを起動してみる
Lookerのページの「インスタンスのURL」に記載されているURLをクリックします。
自分のGoogleアカウントを選択します。
すると、Lookerの画面が立ち上がります!!これまでのLookerを使っている方に取っては、馴染みのある画面ですねw
初めて立ち上げると、左上にガイドがでています。このガイドに沿えば、DBを設定して、Projectを作成し、Exploreで分析する、という一連の流れができそうなので、このガイドに沿って試していきます。
使用するDWH・DBの設定
ガイドの「Connect」を押します。
Lookerに接続するDWH・DBの名称(任意のもの)と、どの製品を繋げるのかを選択します。
すると、選択した製品に応じて各種認証に必要な情報が出てきますので入力します。
Optional Settingsは、必要に応じて選択ください。正直初めてLooker触る方は、後でどの項目も修正が出来るので何も設定しなくて良いと思います。強いて言えば、Persistent Derived Tables (PDTs)やTime Zone周りは、必要に応じて設定する必要は出てくると思います。
(この画面はBigQueryの例ですが、Snowflakeの場合は使用するウェアハウスやロールをAdditional JDBC parameters
で設定できるので、ご注意ください。詳しくは公式Docをご覧ください。)
入力が終わったら、末尾の「Test」を押すと、画面の一番上に接続に成功したというメッセージが出てきます。
問題なければ、末尾の「Connect」を押します。
これで、DWH・DBへの接続設定は完了です!
Projectの作成
続いて、Projectの作成に移ります。先程のDWH・DBの作成後の画面で、一番右上に書いてある「Create a Project」を押します。
すると、Development Modeという、ブランチを切って開発を行うモードへの移行を促されるので、Enter Development Mode
を押して入ります。
まず、「Select Database Connection」では先程設定を行ったDWH・DBを選択します。
次に、Lookerで使用するプロジェクト&データセット(データベース&スキーマ)を設定します。
最後に、選択したデータセットに含まれるテーブル・ビューのうち、Primary Keysがあれば、それを設定します。※Primary Keysを正しく設定しないと、JOINを行ったときに正しく計算されなかったり、Measureが表示されなかったり、という問題に繋がる可能性があるため注意です。
設定が終わったら、一番下の「Create Project」を押します。
このような画面が出てきたら、Projectの作成は完了です!
次に、「Edit Project Files」を押してみます。
「Edit Project Files」を押すと、LookMLの開発画面が出てきます。ガイドも出てきますので、こちらも見るとLookMLにおける各オブジェクトのことが理解できると思います。
Lookerで必要となる各概念については弊社でもブログを書いておりますので、こちらも参考にしてみてください!
ガイドが終わったら、右上の「Configure Git」を押します。
Lookerは基本的に何かしらのGitホステッドサービス(GitHubやGitLabなど)との連携が必須のため、お使いのサービスに応じてリモートリポジトリを準備し、設定してください。
※ここでは簡易的にbare repositoryで進めますが、本番運用としては非推奨ですのでご注意ください。
リモートリポジトリの設定が終わったら、一度Mainブランチに対してPushしておきましょう!Lookerでは、Development Modeにおいて開発を行った後MainブランチにPushすることで、他の非開発者のビジネスユーザーがProduction Modeで分析をすることが可能となります。
※ここではLookMLの開発に触れていませんが、このタイミングで開発をすることが可能です。こちらはGoogle Cloudの公式Docや、弊社のブログも参考に開発してみてください!
Pushについては、右上の「Validate LookML」⇛「Commit Changes & Push」と押して、コミットメッセージを入力後に「Commit」を押せばOKです!
最後に、右上が「Deploy to Production」になると思うので、これを押しましょう。これで、非開発者以外のユーザーがProduction Modeで開発したLookMLを元に分析画面(Explore)で分析ができるようになります!
Exploreで分析
最後に、Exploreで分析をしてみたいと思います。
まず、画面の右上にある「Exit Development Mode」を押して、LookMLの開発ができるDevelopment Modeから抜けます。
この上で、画面左上の「Set up Looker」というガイドを押し、「Explore」を押します。
すると、ガイドと共に左側に使用できるExplore(Lookerにおいてグラフを作成できる分析画面)の一覧が表示されます。先程一度Production ModeにDeployしていたので、一番上に私が立ち上げたExploreがありますね。これをクリックしてみます。
すると、Lookerでグラフを作成し分析する画面であるExploreが立ち上がります!こちらもガイドに沿って、各項目を設定していきましょう。
一度Runまで行うと、選択したDimensionとMeasureに応じてデータが表示されると思います。この状態で「Visualization」を押すと、集計されたデータを元にグラフにしてくれます。
また、分析を行って作ったグラフは、グラフ単体で「Look」として保存したり、ダッシュボードとして一つにまとめることも可能です。右上の歯車マークから可能ですので、必要に応じて行ってみてください。
これで、Lookerを触る土台はできました!あとはLookerの豊富な機能を駆使し、指標のガバナンスを担保した分析環境を構築していきましょう。
参考:Looker (Google Cloud core)の料金プランについて
Looker (Google Cloud core)については従来のLookerとは異なるプランを提供しているようです(下図参照)。詳細なお見積りについては一度問い合わせが必要となります!
最後に
「Looker (Google Cloud core)」の無料トライアルを試してみました。
LookerのトライアルをGoogle Cloudのコンソールから行えるようになったので、明らかに以前より気軽にLookerをさわれるようになったと思います。
Lookerが気になっていた方は、この機会にぜひお試しください!